アーユルヴェーダの奇跡のオイル
アーユルヴェーダでは、ギーは古くから特別な油脂として親しまれてきました。
近年では日本でも入手しやすくなり、健康や美容への関心とともに注目されていますが、一方で「使い方や選び方がわからない」という声も少なくありません。
こちらの記事ではギーの使い方や、期待される作用、購入される際の選び方や使用時の注意点や保存法などをご紹介しています。
ギー(Ghee)とは?
ギー(Ghee)は、バターに含まれる水分やタンパク質、不純物を取り除いた純粋な油(乳脂肪)です。
オレイン酸、酪酸、脂溶性ビタミン(A ,E,K)などの良質な脂質と脂溶性ビタミンが含まれています。
タンパク質や乳糖が含まれない純粋な油のため、乳糖不耐症の人でも不快な症状が出づらいと言われています。
アーユルヴェーダでは食べることはもちろん、肌や髪に塗布したりボディマッサージに使用したりと古くから親しまれてきました。
アーユルヴェーダの広告などで目の周りに土手を作ってオイルを流し込んでいる写真を見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。あのトリートメントで使用されているのがギーです。
使い方
アーユルヴェーダの料理にはもちろん、炒め物をする際のオイルに使用できます。洋食のバターを置き換えるのがシンプルで使いやすい始め方だと思います。
また、野菜炒めやソースなどに加えることでコクが出てお料理全体が美味しく仕上がります。
ホットミルクにプラスして飲むと、老廃物の排出がスムーズになり便秘の解消にも役立ちます。
レシピによっては注意が必要にはなりますが、高温調理にも強いので焼き菓子などのお菓子作りにも利用できます。
また、アーユルヴェーダでは料理に使うだけではなく、肌や髪の保湿などのスキンケア、ドライアイの方はコットンに含ませたものを瞼の上に置いてアイマスクとして使うこともできます。
肌や髪のケアに抵抗のある方は、膝や踵(かかと)、肘(ひじ)などの角質ケアの置き換えのようにして使い始めると良いと思います。
アーユルヴェーダから見たギーの効果と役割
アーユルヴェーダでは、ギーは記憶力や知性、生命力を養うと考えられてきました。
ギーは温める性質も冷やす性質も持たないため、特定のドーシャを増やすことなく、ヴァータ、ピッタ、カパ、3つすべてのドーシャのバランスを整えてくれます。
また、消化の火であるアグニを穏やかに支え、消化・吸収を助ける油として重視されています。
ギーは体内を潤す性質をもち、関節や深層組織、腸管内の乾燥などにも潤滑を与えるとされます。
そのことから関節の痛みや便秘などに用いられたり、体内を内側から潤す働きは、身体の柔軟性と可動域を広げてくれるとも言われてきました。
アグニのバランスが整い、腸管内の乾燥による便秘の改善が期待されることから、結果的に老廃物や未消化物などが体外へスムーズに排泄されるとされ、デトックスという言葉で表現されることも。
精神面では、神経を鎮め、心を安定させてくれると考えられています。
また、ギーは血液の循環を妨げにくい油脂と伝統的に考えられており、重く詰まらせる性質をもつとされる他の脂質とは区別されてきました。
ギーを継続して感じた身体と心の変化(個人的体験談)
健康な人が健康な身体に気づきにくく、身体の不調が出てはじめて自分は健康であったことに気づく。ということはよくあることだと思います。
私はヨガのティーチャートレーニングを受けてから定期的にギーを自分で作り日常的にお料理に使ったりボディケアやアイケアなどに使い続けているのですが、作り置きがなくなって、忙しさでギーの存在を忘れてしまった頃に身体の不調や気持ちの不調がじわじわと姿を現してくる…。という経験をこの10数年の間に何度か経験してきました。
具体的には、神経が過敏になり、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなるなどの睡眠の質が悪くなる。アーサナが深まらない。特にねじりのポーズと前屈、もともと頸椎に奇形があるので、首がうまく動かなくなってきたり、首や肩の凝りや痛みを感じやすくなる。など。
これらはギーを摂り始めると静かに遠ざかっていきます。
定期的に前述したコットンを使ったアイマスクをしているので、夜になるにつれてコンタクトが乾きやすくなりドライアイを感じることも。
また、インストラクターにとって「声」はとても大事だと思うのですが、ギーを摂っている時の方が喉元が潤っている感じで話しやすいのはもちろん、クラス全体に声が通りやすくなると感じます。
ギーは、何かを「劇的に変える」ものというよりも、日々の食事や身体感覚を静かに支えてくれる存在のように感じています。
※あくまで私個人の体験と感想です。
ギーの選び方
ギーは、健康食品店やオンラインで購入できます。まだギーを試したことがないという方は、市販のものから試してみるのもよいと思います。
原料となる牛のミルクは、その牛が食べたものによって品質が異なります。ギーを選ぶ際に「グラスフェッド」と表示のされているギーがあります。このグラスフェッドとは、牧草のみ食べて飼育された牛のミルクから作られたものを指します。
アーユルヴェーダでは、このような環境で育った牧草やミルクは、プラーナ(活力素)に富むと考えられています。
ギーは自宅でも作ることができます。自宅での作り方はこちらの記事をご覧ください。
「ギー(Ghee)の作り方」
使用の際の注意と保存法
乳製品は冷蔵庫で保管することが多いと思いますが、アーユルヴェーダの観点からは常温で保存します。ギーはバター同様に冬場などの低い温度でかたまり、火の近くなど温度が高いところでは液体になります。使用する際は、毎回清潔な調理器具かスプーンを使います。
異物が入ってしまうとカビなどが生えることがあります。その際はカビ部分だけ取る方もいるようですが、細菌は目には見えませんのですべて破棄することをお勧めします。
※本記事はアーユルヴェーダの伝統理論に基づく解釈を紹介するものであり、医学的効果や治療効果を示すものではありません。

