アーユルヴェーダでは、油(オイル)は体を潤し、栄養を運ぶ大切な存在と考えられています。
食事に使うクッキングオイルはもちろん、セルフケアにも活用され、心と体のバランスを整えるために役立てられてきました。
この記事では、伝統的なアーユルヴェーダのオイルから、日本の食卓にも取り入れやすいオイルまで、それぞれの特徴や使い方をご紹介します。
アーユルヴェーダの基本のクッキングオイル
ギー
ギーは、バターを加熱して水分や乳たんぱく質などを取り除いた澄ましバターです。
アーユルヴェーダでは「液体状の太陽」とも呼ばれ、古くから料理やセルフケアに欠かせないオイルとして親しまれてきました。
トリドーシックで、ヴァータ・ピッタ・カパすべてのドーシャに取り入れやすいオイルとされ、体を潤し、組織を養うオイルと考えられています。
心や神経を穏やかにする働きがあるとされ、ヨガや瞑想を実践する人にも親しまれています。
加熱調理はもちろん、料理の仕上げにかけたり、パンに塗るスプレッドとして使ったりと、さまざまな料理に活用できます。
バターに近い風味のため日本人にも親しみやすく、洋食を作る際にバターの代わりに使うだけでも、手軽にアーユルヴェーダの食事として取り入れることができます。
ギーの詳しい働きや作り方、保存方法については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
▶︎「ギーについて」
▶︎「ギーの作り方」
ごま油
ごま油は、アーユルヴェーダで最もよく使われる油のひとつです。
料理だけでなく、アビヤンガ(オイルマッサージ)をはじめとするセルフケアにも広く用いられています。
体を温める性質を持ち、特に冷えや乾燥が気になるときや、寒い季節におすすめの油です。
体を潤しながら巡りを促し、消化力(アグニ)を支える働きがあると考えられています。
炒め物や和え物など、普段の食事に取り入れやすいのが魅力です。
日本人の食生活にも馴染みがあり、和風や韓国料理や中華風料理にも相性が良く取り入れやすいオイルです。
※アーユルヴェーダでは焙煎した香りの強いごま油よりも、生搾りで焙煎していない太白ごま油を使うのが一般的です。
セルフケア用のセサミオイルについてはこちらの記事をご覧ください。
▶︎「セサミオイル|特徴や働き、セルフケアのヒント」
▶︎「セサミオイル|マッサージ用オイルの作り方」
ココナッツオイル
ココナッツオイルは、ココナッツの果肉から抽出される植物油で、熱帯地域で古くから食用や美容、セルフケアに利用されてきました。
アーユルヴェーダでは、冷却する性質を持つオイルとして、特にピッタを鎮めるために用いられます。
体に潤いを与えながら熱を穏やかに冷ます働きがあると考えられており、暑い季節や、火照りやすい体質の方に取り入れやすいオイルです。
料理では、炒め物やカレー、ココナッツの甘い香りを活かした焼き菓子など、デザートにも利用できます。
ココナッツ特有の香りがあるものは料理の風味を引き立て、無香タイプのものは幅広い料理に使いやすいでしょう。
ココナッツオイルは肌や髪の保湿など、セルフケアにも親しまれています。
生活に取り入れやすいクッキングオイル
オリーブオイル
アーユルヴェーダの料理に昔から親しまれてきたオイルではありませんが、クセが少なく日本でも手に入りやすいので日常的に使いやすいオイルのひとつです。
良質のエキストラバージンオリーブオイルを選ぶのがおすすめです。
適度に体を潤し、乾燥を和らげる働きがあるため、特にヴァータやピッタを整えるために取り入れられることがあります。やや重さがあるため、消化力が弱いときは摂り過ぎに注意しましょう。
米油(こめ油)
こめ油もアーユルヴェーダの伝統的な基本油ではありませんが、日本の食文化や暮らしに合わせて、体に負担をかけにくい油として取り入れることができます。
アーユルヴェーダの伝統的な分類ではありませんが、性質としては比較的穏やかで、摂り過ぎるとカパを増やす可能性があります。
炒め物や揚げ物など、普段の家庭料理にも活用しやすく、油を使った料理を無理なく楽しむことができます。
香りや風味が穏やかなため、食材本来の味を生かした料理にも向いています。
和食はもちろん、洋食やアジア料理など幅広い料理にもとても使いやすいです」。
その他のオイル
アーユルヴェーダの料理では、アーモンドオイルやひまわり油なども用いられますが、まずは毎日の食卓に取り入れやすい代表的なオイルから始めることがおすすめです。
アーユルヴェーダの食事だからといって、必ずギーだけを使う必要はありません。
伝統的な知恵と、日本人が慣れ親しんできた食材や調理法を組み合わせることで、新しい発見が生まれることもあります。是非、楽しみながらキッチンに立ってみてください。
次の記事ではアーユルヴェーダの基本スパイスを紹介します。
